”四十九日のレシピー”

 
 
★我が家の庭に咲いた水仙クリスマスローズ

 NHKドラマ10「四十九日のレシピー」を視て心を動かされます。ふだん何気なく生活している私にも、ふと振り返れば、主人公良平と思いを共有することがあります。ふだん、いて当たり前と思っていた妻の突然の死、妻を失った時の深い喪失感「きっとこれは夢の中の出来事に違いない」と思いたいのですが、それは現実の話だったのです。失って初めてわかる”妻の存在の大きさ”そして「家族の意味」ほんとうの意味で幸せに気づくのは、それを失った後からというのは、とてもつらいことです。でも、そのことをきっかけに「家族とは何か」「愛とは何か」「幸せとは何か」「生きる意味とは何か」その一つ一つをしっかり考えるようになり、ちょっとずつですが、自分が変わっていくのがわかるのです。
 伊東四朗演じる良介が ”おっか”の年表に「熱田乙美没」と震える手でやっと書き込んだとき、良介の号泣する姿をみて私は泣きました。それは、やっと妻の死を現実として受け入れ、自分のこれからの人生を踏み出そうとする一歩でもあったと思います。「四十九日」をむかえるまでのその気持ちがとてもよくわかります。
 家族の味を知らない、二十歳の井本と日系ブラジル人ハルミが、「家族の一番大切なもの」「家族とは何か」を私たちに気づかせてくれているように思われます。 人が亡くなってしまうとすべてが現実から消えていきますが、心の中には、亡くなった人への思いを通じて、どこかで明るく、家族の幸せを見守り導いてくれているのかも知れませんね。次回(8日)が最終回ですが、放送を楽しみにしています。