ふるさとのお話


蒜山高原SA

 昨日は、義父の33回忌の法要で、亡くなった妻の実家を訪ねた。(結婚した時、すでに、義父は他界され、写真の中でしか義父の顔は知らない。)4か月ぶりの訪問である。緑の山々、田畑に囲まれたのどかな自然の中に、今も実家は、義兄夫婦に、しっかりと守られている。妻が元気だった頃は、毎年、夏、冬は帰省し、二人の子供たちもこの実家で生まれた。元気いっぱいで働き者の義母にもずいぶんお世話になった。
 義兄は心配りの行き届いた人で、妻が亡くなった後でも、何かと私たち家族やさらに私の母のことにも心を配ってくれている。私の再婚にも「よかった」と心から祝ってくれた。時々、どうしてこんなにも、人のためにできるのだろうかと、その心の深さに感謝する。
 関東に住む義兄夫婦に会うのも久しぶりだった。会うなり「再婚おめでとうございます」という祝福を受ける。みな退職し、それぞれの家庭も、次の世代が中心になっていく。久しぶりに、ゆっくり語る時間も欲しかったのだが、そんな時ももてないまま、第二のふるさとを後にした。
 子供たちが小さかったとき、田圃のあぜ道を、甥、姪たちと兄弟のように一緒に走り回っていた姿を妻と二人で遠巻きに見守っていた昔がなつかしい。そんなふるさとの話。「ふるさと」の歌を耳にすると、懐かしさとともにいつも熱いものががこみ上げてくる。
 
兎追いし かの山   小鮒釣りし かの川
夢は今もめぐりて   忘れがたき ふるさと

如何にいます 父母  つつがなしや 友垣
雨に風につけても   思い出ずる ふるさと

志を 果たして    いつの日にか 帰らん
山はあおきふるさと  水は清き ふるさと